便秘症の原因
生活習慣や日常生活の小さな原因が積み重なって起きる便秘症。
その原因は食物繊維不足や運動不足など一般的に知られているものから、ダイエットや下剤の常用など様々。
単独より複数の可能性が高いのではないでしょうか。
運動不足
運動不足になると、なぜ便秘症になるのでしょうか?
ひとつには、排便にかかわる腹筋の筋力低下で、女性に便秘症が多い理由も、男性に比べてこの腹筋が弱いことが関係しています。
運動不足で血流が悪くなると、腹部の血行、腸管にいく血流量が低下し、その結果、腸管運動が低下するので、便秘症になりやすくなります。
腹筋をつけ、腹部の血流をよくするためにも、腹筋運動が不可欠です。
腹直筋や腹斜筋の腹筋は全身の中でもたるみやすく衰えやすい筋肉ですが、鍛えれば鍛えただけつく筋肉ともいわれており、腹筋運動を始めると、腸が刺激されてうんちを押し出す力になるのです。
便通を促すためには常におなか全体に腹圧をかけて刺激を与えることも大切なので、『おへそに力を入れておなかをへこます』ことを習慣づけてみましょう。
また、ウォーキングなど歩いて腸を常に動かしておくことも大切です。
普段から、背すじを伸ばすことを心がけて猫背にならないように姿勢をよくすることも大事です。
立っているだけで、ある程度の腹圧をかけていることになるからです。
ダイエットのしすぎ
ダイエットで食事を制限する人がいますが、食事の量を過剰に減らしてしまうと便の量も減ってしまい、更に水分不足により便は腸内で固くなってしまいます。
腸の調子が悪くなると代謝機能が低下し、より痩せにくい体質となり、それらは身体の冷えを促します。
無理なダイエットは便秘症の原因になるので、気をつけましょう。
朝食抜き
朝の排便に必要なこと、それは腸を動かすこと。
忙しい毎日を送ってる方、朝起きるのが苦手な方に朝食を抜くことがありますが、これも便秘症の引き金になります。
朝、空っぽになった胃の中に食べ物が入ってくることで、胃が動き出し、それに反応して腸も動き出し、腸の中に溜まっている老廃物を外に排出してスペースを作ろうとします。
この動きを『胃・結腸反射』と呼び、この一連の流れが朝の排便習慣につながります。
冷え
薄着、エアコン、冷たい食べ物などを食べ過ぎて身体を冷やしてしまうと、全身の血流が滞り、腸の血行も低下します。
その結果、腸の働きが弱まり、便秘や下痢が起きやすくなるほか、老廃物から出る毒素が腸に吸収されて全身へ回ることで、冷え性が悪化するという悪循環を招くこともあります。
ストレス
便通は、自律神経と第二の脳である腸神経の二重支配を受けています。
自律神経はストレスに素早く反応する神経なので、ストレスで便秘症が悪化したり、ときには下痢になってしまうこともあるのです。
自律神経の副交感神経はリラックスすると優位になり、胃腸の働きが高まり、食欲の増加し、排便が促進されます。
一方の交感神経は緊張を強いられるような精神的ストレスや過労などの肉体的ストレスが加わると優位になり、胃腸の働きが低下して、食欲不振や便秘症になります。
セカセカしていると便通を感じなかったり、体が冷えると便が出ないのはそのためで、また、嫌だとか辛いとか、どうしよう…といった悩みや不安があるときほど、便が硬くなったりなかなか出なかったりします。
副交感神経と交感神経はどちらかが優位になることで一方が劣勢になるので、交感神経が優位の状態から抜け出すためには、音楽を聴いてリラックスしたり体を温めたりして、副交感神経が優位になる時間を作る必要があります。
また、腸には夜間に消化管活動を促すモチリンなどのホルモンが分泌されます。
しかしこのホルモンはストレスの影響で分泌が低下してしまいますので、ストレスを上手に排除し、ストレスを感じた時はできるだけ心身をリラックスさせましょう。
そんな当たり前のことが腸の働きにはとても重要なのです。