不妊症の東洋医学の治療法

東洋医学は”人間本来の治癒力に着目した医学”で、患者の体質や症状をもとに診断します。

患者を生活習慣などを含めて全体的に診察し、漢方的な概念で診断するので、検査やデータには現れない異常も捉えることが出来ます。

患者の内部環境を整えることに適しています。

つまり、西洋医学は原因のわかる不妊症、東洋医学は原因のわからない不妊症に適しているといえます。

漢方の考え方は東洋医学に分類され、西洋医学では検査結果の出にくい不妊症を後押しします。

 

漢方での解決(東洋医学における不妊症の治療)

一つだけではなく複合的に絡んでいる場合が多いです。

中医学における不妊のタイプ

血虚

血の栄養が不足している、量が不足しているタイプで、多くの人がこのタイプです。

オ血

血の流れが滞っているタイプです。血虚や気虚なども絡んでオ血になる方が多いです。

水毒

身体に余分な水をもっているタイプで、余分な水が身体を重だるくさせたり、流れを悪くしたりします。

気虚

パワー不足タイプです。気には物を運ぶ役割もあるので気虚だと血などの流れも悪くなりやすいのです。

気滞

ストレスタイプ。怒りっぽくなるなどの症状が出ることが特徴です。

陰虚

身体の潤いが樹則しているタイプ。顔がほてり、唇の皮がむけたりする。更年期に近づく40代以降になりやすいです。

陽虚

冷えているタイプ。冬になると調子を崩しがちなのが特徴です。

腎虚

五行説の「腎」が弱っているタイプ。「腎」は成長などを司る部分で、アンチエイジングとも関わりが深く、ここが弱ると耳が遠くなったり、歯が抜けたりもします。

基礎体温が二相に分かれてない人(一相性のまま)は、無排卵の可能性が高いです。

不妊に効く漢方と期待できる効果

婦人宝(同じ処方で有名なのは婦宝当帰膠(ふほうとうきこう))

病院では処方されない漢方薬です。髪や肌、爪がパサツクようなタイプの方、冷え症で顔色の悪い方、生理周期が長めの方、貧血の方などは、東洋医学では「血虚(けっきょ)」と判断します。

この血虚の症状にとても効果的なのが「当帰(とうき)」という生薬で、それがとても多く配合された処方となっています。女性の多くは血のトラブルを抱えており、血虚の方が多いです。なので、生理が始まったばかりの女子から、老人までが対象となる処方で多くの方に効果的です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

病院でもよく処方される漢方。定番の漢方です。安胎薬として妊娠中の方でも飲むことができ、中医学的には血を補い緩やかに活血(血を流す)し、余計な水分もさばく効果が期待できます。

こちらも多くの方が対象となる漢方です。

温経湯(うんけいとう)

ホルモンバランスを整えると言われて使われる事がある漢方。東洋医学的には陰虚(いんきょ)でオ血で、冷えがある方の漢方です。

これは潤いが足りなくて、血の流れが悪く、冷えている方が飲むと効果的な処方です。唇の皮がよくめくれる人、長風呂できない人、手足が火照っている人などに向きます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

子宮筋腫の時によく出される処方です。オ血タイプの方に効果があります。生理の出血の色が暗くて塊がよくある方、シミが多い方、痔になりやすい方、目の下にクマができやすい方がオ血タイプとされます。妊娠中には飲むことができません。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

肝気鬱結(かんきうっけつ)タイプの方によく出る処方で、更年期の方などにも時折処方されます。肝気鬱結とは精神的ストレスによる症状を指していて、イライラや不安といった症状出ます。

ストレスは妊活にとっては良くないとされていますが、多くの方が思うように妊娠できずにストレスにさらされます。また月経前症候群が強くなったり、胸がはる、お腹がはる、耳が詰まった感じがするなどの症状が出る方も対象です。

ストレスを軽減させる生薬と血を増やすもの等が配合された漢方です。

加味帰脾湯(かみきひとう)

不正出血がある、気持ちの落ち込みがある、胃腸が弱い、眠れないなどの症状がある方にあう漢方です。不妊治療中にガックリと落ち込んでしまい、前に進めなくなって不安で不安でたまらない方などにアプローチできます。

生理の量が大量で多すぎる方や不正出血が見られる方にもよく使われる処方です。胃腸を元気にし血を補いストレスを軽減する生薬が入っています。

ここに妊活がサポート出来る漢方の一覧をあげましたが、あくまで漢方は服用する方一人ひとりの体質に合わせて選ぶことが基本ですので、まずはご相談下さい。

 

 

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