眼病とは
東洋医学では『肝は目に穴を開く』という言葉があります。これは目が肝臓(内臓)の影響を受けやすい器官だと考えられていることが由来になっており、肝臓の働きが低下すると、目にその症状が現れると言われています。
また、『肝は血を蔵す』という言葉があります。これは目が肝に蓄えられている血の栄養によって働くという意味で、目を酷使すると目の栄養源である血液が過度に消耗され、目に栄養が行きわたらなくなります。
そうすると眼精疲労だけでなく、血行障害による頭痛や肩こりが生じることもあります。
主な眼病とその症状
白内障
水晶体が濁ってしまい、目に映る像が霞んでしまう病気です。加齢に伴って症状が出ることが多く見られます。
白内障の種類
老人性白内障
白内障と呼ばれているのはほとんどがこの老人性白内障です。水晶体のタンパク質が加齢によって酸化してしまうことが原因です。
糖尿病性白内障
糖尿病による白内障で、高血糖そのものが原因で水晶体が濁ってしまう真性糖尿病白内障と元々白内障だった人の白内障の進行が早まってしまう仮性糖尿病白内障とがある。
アトピー性白内障
アトピー性皮膚炎による白内障で、原因は目の周りを激しく掻いたり叩いたりすることで水晶体が傷ついてしまうことと考えられます。
先天性白内障
生まれた時から白内障になる要因を持っている場合の白内障で、遺伝や染色体異常、子宮内感染などが原因と考えられる。
外傷性白内障
目のケガなどで水晶体脱臼(水晶体を支えるチン氏帯に異常が起きている状態)が起こることが原因で起こる白内障です。
緑内障
緑内障とは目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経に異常が起こり、視野が狭くなる(視野狭窄)病気です。
視野狭窄は両目にかけて起こり、鼻側から欠けていきます。
緑内障の種類
緑内障には房水という角膜や水晶体に栄養を送る液体の出口(隅角)が広いタイプと狭いタイプがあります。
閉鎖隅角緑内障
隅角が狭く、房水が流れにくいことが原因になっているタイプ
開放隅角緑内障
隅角が開きすぎて目詰まりを起こし、房水が流れにくいことが原因になっているタイプ
発達緑内障
先天性の緑内障で隅角の発育異常によって視神経が障害を受けるタイプ
飛蚊症(ひぶんしょう)
糸くずや小さな虫のようなものが視野の中を移動するように見える眼病です。紫外線が網膜を通して目に入ってきたとき活性酸素が発生し、その結果、加齢とともに硝子体(眼球の中を満たしているゲル状の物質)の成分が変化するのが原因です。場合によっては網膜剥離などの重大な病気が存在することもあります。
飛蚊症が症状として現れる可能性がある眼病
硝子体剥離
本来網膜と密着しているはずの硝子体が加齢とともに液状になり、網膜から剥離してしまう状態
硝子体出血
硝子体剥離が起こった際に出血した血が硝子体内に溜まってしまう状態
ぶどう膜炎
ぶどう膜という眼球の周りにある血管の多い組織が炎症を起こし、硝子体の中に濁りや浮遊物が生じて飛蚊症の症状が出てしまう状態
網膜剥離
黄斑(おうはん)変性症
網膜の中心にある黄斑という物の形や距離、大きさ、立体感などを正確に識別するための組織に異常が起こり視野がぼやけたりする病気で、ほとんどは加齢によって引き起こります。
視野の中心部がぼやけたり黒く見えたり、歪んだりする。
翼状片(よくじょうへん)
ホコリや紫外線、逆さまつげなど外からの刺激によって黒目に白目(結膜)が侵入してくる病気です。黒目の中に白い膜がある、目が充血する、というような症状が見られ、ほとんどの場合は鼻側に現れます。進行すると乱視の症状が現れることがあります。
仮性近視
水晶体はカメラでいうとレンズの役割を果たします。そのレンズを調節するのが毛様体筋で、その毛様体筋が緊張した状態になり、ピントを合わせる機能に一時的な異常が起きた状態です。
ドライアイ、眼精疲労
コンタクトの継続使用、長時間にわたるデジタル機器の使用、加齢、夜更かし、部屋の乾燥などの原因によって、目の中に涙の量が不足したり、涙の質が悪くなってしまったことによって起こる症状です。視野が霞んで見えたり、魔が乾く、極端に目が疲れる、などが考えられます。
網膜剥離とその症状
眼球の内側にある網膜が何らかの原因で剥がれてしまい、視力が低下してしまう病気です。網膜は目の中に入ってきた光を脳に伝達する役割をになっており、カメラでいうとフィルムの役割を果たします。加齢や事故などによって網膜を支えている硝子体に異常が起こり、その影響を受けて網膜が剥がれてしまうことが原因です。
網膜剥離の時に起こる可能性がある症状
飛蚊症
網膜剥離の自覚症状1 飛蚊症 ある日突然、視野に黒いものが現れ、視界にちらつき始める
光視症
網膜剥離の自覚症状2 光視症 暗いところにいたり、目を閉じた時、視野の隅に光が走る
視野欠損
網膜剥離の自覚症状3 視野欠損 視野の隅の方から欠け始め、 次第に見えない部分が広がる