めまいの原因
耳を原因とするめまい
めまいの症状は大きく分けて3種類あります。 それぞれの種類ごとに症状を説明していきます。
末梢性めまい
耳が原因で起こるめまいを、『末梢性めまい』といいます。
三半規管に栄養を送る血管が精神的なストレスなどで収縮すると働きが低下し、 誤った情報が三半規管から小脳に送られ、その結果小脳の働き(情報の統合やバランス維持の指定)に混乱が生じ、めまいが発生するのです。
めまいを起こす耳の病気としては以下の様なことが考えられます。
突発性難聴
原因がわからない状態で突然耳が聞こえなくなる病気のこと。
メニエール病
ストレスや睡眠不足、疲労などが原因になって内リンパ水腫(耳の内側にあるリンパに水が溜まって出来る腫瘍のようなもの)が原因で難聴やめまいを引き起こす病気で、若い女性に多いのが特徴です。
良性発作性頭位めまい症
内耳にある卵形嚢(耳の器官の一つで垂直方向の動きを感知する器官)にある耳石(カルシウムの粒)が剥がれ落ち、三半規管に入り込んでしまい、頭を動かすと三半規管が刺激されることでめまいが起こる病気です。
耳石が自然融解すると言われているので、2~3週間で治ることもあります。
前庭神経炎
バランスを保つための情報を脳に伝える役割を持つ前庭に炎症が起きてめまいが起きる病気です。
耳鳴り・難聴を伴う…メニエール病、突発性難聴
耳鳴り・難聴がない…BPPV(良性発作性頭めまい症)、前庭神経炎
脳を原因とするめまい
中枢性めまい
脳の病気が原因で起こるめまいを『中枢性めまい』といいます。
小脳には、『椎骨動脈』や『脳底動脈』からの酸素や栄養が送られており、ストレスによる血管収縮や動脈硬化などで動脈血に障害が起こり必要な酸素や栄養が不足することで、小脳の働らきが低下することで起ります。
【中枢性めまいが起きた時に疑うべき病気】
・脳梗塞
・脳出血
・脳腫瘍
心因性のめまい
不安や心配事、ストレスが続くとめまいが起こる事があります。
【合併する症状】
・眠れない
・食欲がない
・肩こり
中医学とめまい
身体の平衡感覚やバランスは、目や耳などから得た情報が脳に送られ小脳にある平衡中枢が総合的に判断し、小脳でバランスの維持に重要な役割を果たします。
めまいはこれらの器官や情報の通りに障害が起こり、平衡感覚や情報判断に乱れが生じるために起こります。
中国の伝統医学である中医学では、ふらふらする、目がかすむ、頭がふらつく、周囲が回転したり揺れ動いたり、酷いと立っていられないなど、吐き気を伴うものを『めまい』と定義しています。
中医学によるめまいの判断と発生原因
中医学においてめまいの原因と考えられているのは以下の3つです。
1.体内で生まれた病因物質(風や火)によって脳が興奮状態になった場合
2.基本物質(気、血、水、精、津液)病因(気虚、血虚、陰虚、陽虚、津液不足、気滞、水毒、瘀血)によって情報伝達が出来なくなった場合。
3.五臓六腑の肉体面と機能面がバランスを失い、基本物質(気、血、水、精、津液)が十分に作られず、脳に滋養できないために脳の機能が低下した場合
中医学(漢方の考え方)では体外から侵入した精神のバランスが失われたために発生するものを『実邪』、内臓機能が衰え全身活動に必要な物質が不足して起るものを『虚邪』といい、継続して起るめまいの他に、極度のストレスで突発的に起るめまいや気候・気圧変動などで起るめまいもあります。
継続する内因性のめまいは、喜、怒、哀、楽、憂、などの精神激変で発生する場合は長期化する場合が多く、中医学の得意とする分野です。