「気・血・水」とは

漢方では、人間の体は「気・血・水」の3要素が体内をうまく巡ることで健康が維持されていると考えられています。

「気(き)・血(けつ)・水(すい)」によって、身体の不調の原因を探ります。

 

「気・血・水」とは

気(き)

目には見えない生命エネルギーのこと。元気、気力、気合いの「気」などは、この「気」が由来しています。

「気・血・水」の3要素の中でもっとも重要な要素で、気の巡りが悪化すると心身のバランスを崩して調子が悪くなります。

血(けつ)

全身を巡り、さまざまな組織に栄養を与えるもの。主に「血液」を指します。

「血」が多いと闘争的になったり、少ないと肌にツヤがなくなったりします。

水(すい)

潤いや栄養を与える無色の液体のこと。体液や分泌液、尿など血液以外の体液全般を指し、水分代謝や免疫システムなどに関係しています。

「気・血・水」の内、ずれか一つでも不足したり滞ったり偏ったりすると、不調や病気、障害が起こりやすいとされています。

それぞれの不調

気の不調

・気虚(ききょ)タイプ

気が不足して、肌荒れ、たるみが気になる虚弱体質。主な症状は、疲労感、風邪をひきやすい、息切れ、冷え、胃もたれ、下痢、頻尿。

【改善方法】
穀類やイモ類、豆類といった「気」を補う食事をゆっくり食べて、8時間は寝ること。ウォーキングや適度な運動も効果的で、肺の機能を高めて 酸素を効率的に取り入れることで、体内のエネルギー「気」を増やします。毎日行うとよいでしょう。

・気帯(きたい)タイプ

気が滞って、イライラ、吹き出物やかぶれを起こしやすい。主な症状は、不安、うつ、イライラ、怒りっぽい、偏頭痛、喉のつまり、おなかの張り、ゲップ、おなら、下痢と便秘が交互に起こる、生理不順、生理前に乳房や腹部の張り、不眠。

【改善方法】
気の巡りを悪くする一番の原因であるストレスを溜めないよう、リラックスできる時間を作って上手に気分転換すること。適度な運動で汗を流すのもよいでしょう。

血の不調

・血虚(けっきょ)タイプ

血が不足することによる小じわ、乾燥肌、抜け毛。主な症状は、顔色が白く艶がない、めまい、立ちくらみ、動悸、抜け毛、白髪、かすみ目、疲れ目、皮膚の荒れ、手足のしびれ、こむら返り。

【改善方法】
身体の血や肉になるものを、ゆっくり味わっておいしく食べることが基本。また、血虚状態が長期間続くと骨がもろくなり心臓も弱くなるので、 激しい運動を避け、散歩や軽い運動を行うのがよいでしょう。無理なダイエット、朝食抜き、偏食、小食、不規則な生活などは血虚に結びつきます。

・瘀血(おけつ)タイプ

血の巡りが悪く、吹き出物や目の下にクマができがち。主な症状は、顔色や唇の色が悪い、しみ、そばかす、慢性の肩こり、頭痛、生理がひどい、血の塊が混じる、下肢の静脈瘤、慢性的な関節痛、不整脈、胸が苦しい。

【改善方法】
血行を改善するために、食養生の他、適度な運動を行うこと。「流れる水は腐らず」のことわざのように、身体を動かして血行をよくさせましょう。身体を温めることでも血行はよくなるので、シャワーよりも湯船につかることをお勧めします。

水の不調

・陰虚(いんきょ)タイプ

水が不足して、肌のかさつき、痒みなどが気になる。主な症状は、のぼせ、ほてり、空咳、目の乾き、口や喉の渇き、耳鳴り、便のつまり、寝汗。

【改善方法】
睡眠と食事。漢方では、昼は「陽」、夜は「陰」が支配する時間帯と考えられています。夜型の生活を続けていると陰分はどんどんと消耗していくので、 夜の12時前までには寝ることを心がけること。

また、「酸味と甘味を合わせると陰分が湧いてくる」と言われます。陰虚を補うためには、「酸味」と「甘味」の食材を一緒に使うとよいです。

・痰湿(たんしつ)タイプ

水の巡りが悪く、湿疹、むくみに悩まされがち。主な症状は、脂性肌、吹出物、肥満、水太り、血中コレステロール値・中性脂肪値・体脂肪率が高い、身体がだるい、めまい、吐き気、痰が多い、むくみ。

【改善方法】
身体に溜まった余分な水分や老廃物を追い出すこと。運動で汗をかくなどして、水分を積極的に排出するのがよいでしょう。胃腸の働きを整えることも大切です。

 

 

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