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不妊症の治療法と漢方薬

  

 

  西洋医学と東洋医学には、それぞれ治すのが得意な不妊症があります。

 

・西洋医学

西洋医学の基本的な考え方は”解剖学”で、技術や医療機器の発展ともに進化してきた医療です。患者の体質や症状が違っても「病名」をもとに診断します。外傷や感染症の予防などに適しています。

 

・東洋医学

逆に東洋医学は”人間本来の治癒力に着目した医学”で、患者の体質や症状をもとに診断します。患者を生活習慣などを含めて全体的に診察し、漢方的な概念で診断するので、検査やデータには現れない異常も捉えることが出来ます。患者の内部環境を整えることに適しています。  

つまり、西洋医学は原因のわかる不妊症、東洋医学は原因のわからない不妊症に適しているといえます。 漢方の考え方は東洋医学に分類され、西洋医学では検査結果の出にくい不妊症を後押しします。  

 

 

1.西洋医学における不妊症の治療法

西洋医学ではいくつかの段階をおって不妊治療を行っていきます。ここでは1~5までの段階毎に治療法を説明していきます。

 

1.タイミング法

粘液の状態や卵胞の大きさなどから排卵日を正確に判断し、医師が指定した日に性行為を行い、妊娠の可能性を高める方法です。 排卵が少ない場合は排卵誘発剤を使用する場合もあります。

 

2.人工受精(AIH)

男性の精液を女性の子宮内に注入する方法です。主に男性側に不妊の原因がある場合に効果的です。

 

3.体外受精(IVF)

精子と卵子を体外で受精させ、子宮に戻す方法です。ここからは高度生殖医療の範囲になるので、上記の1,2と比べて費用が高額になります。

 

4.顕微鏡受精(ICIS)

顕微鏡受精は体外受精と同じで、体外で精子と卵子を受精させ、子宮に戻す方法ですが、違いは受精卵をつくる方法です。 体外受精では精子の能力に任せて受精を待つのに比べて、顕微鏡受精では卵子に直接精子を注入します。 精子の運動量が少ない場合や精子の数が少ない場合、卵子の受精する力が弱い時に効果的です。

 

5.精巣精子の利用(TESE)

精巣から直接精子を取り出す方法です。無精子症などの極端に精子が少ない場合に効果的です。顕微鏡受精と組み合わせで行われることがほとんどです。

 

・薬について

東洋医学で使用される薬はほとんどがホルモン剤で、排卵を促したり、受精卵を着床しやすくするものです。 または、勃起障害を改善するためにバイアグラやシリアスなども使用することがあります。  

 

・検査について

西洋医学における不妊検査は以下の通りです。

1.血液検査
2.超音波検査
3.膣分泌物検査
4.子宮頸管粘液検査
5.精液検査
6.ヒューナー検査(重要)
7.卵管通気・通水検査
8.子宮卵管造影(重要)

 

2.漢方での解決(東洋医学における不妊症の治療)

 

1.中医学における不妊のタイプ

一つだけではなく複合的に絡んでいる場合が多いです。


・血虚

血の栄養が不足している、量が不足しているタイプで、多くの人がこのタイプです。

 

・オ血

血の流れが滞っているタイプです。血虚や気虚なども絡んでオ血になる方が多いです。

 

・水毒

身体に余分な水をもっているタイプで、余分な水が身体を重だるくさせたり、流れを悪くしたりします。

 

・気虚

パワー不足タイプです。気には物を運ぶ役割もあるので気虚だと血などの流れも悪くなりやすいのです。

 

・気滞

ストレスタイプ。怒りっぽくなるなどの症状が出ることが特徴です。

 

・陰虚

身体の潤いが樹則しているタイプ。顔がほてり、唇の皮がむけたりする。更年期に近づく40代以降になりやすいです。

 

・陽虚

冷えているタイプ。冬になると調子を崩しがちなのが特徴です。


・腎虚

五行説の「腎」が弱っているタイプ。「腎」は成長などを司る部分で、アンチエイジングとも関わりが深く、ここが弱ると耳が遠くなったり、歯が抜けたりもします。


基礎体温が二相に分かれてない人(一相性のまま)は、無排卵の可能性が高いです。

 

 

2.不妊に効く漢方と期待できる効果

 

婦人宝(同じ処方で有名なのは婦宝当帰膠(ふほうとうきこう))

病院では処方されない漢方薬です。髪や肌、爪がパサツクようなタイプの方、冷え症で顔色の悪い方、生理周期が長めの方、貧血の方などは、東洋医学では「血虚(けっきょ)」と判断します。

この血虚の症状にとても効果的なのが「当帰(とうき)」という生薬で、それがとても多く配合された処方となっています。女性の多くは血のトラブルを抱えており、血虚の方が多いです。なので、生理が始まったばかりの女子から、老人までが対象となる処方で多くの方に効果的です。

 

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

病院でもよく処方される漢方。定番の漢方です。安胎薬として妊娠中の方でも飲むことができ、中医学的には血を補い緩やかに活血(血を流す)し、余計な水分もさばく効果が期待できます。

こちらも多くの方が対象となる漢方です。

 

温経湯(うんけいとう)

ホルモンバランスを整えると言われて使われる事がある漢方。東洋医学的には陰虚(いんきょ)でオ血で、冷えがある方の漢方です。
これは潤いが足りなくて、血の流れが悪く、冷えている方が飲むと効果的な処方です。唇の皮がよくめくれる人、長風呂できない人、手足が火照っている人などに向きます。

 

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

子宮筋腫の時によく出される処方です。オ血タイプの方に効果があります。生理の出血の色が暗くて塊がよくある方、シミが多い方、痔になりやすい方、目の下にクマができやすい方がオ血タイプとされます。妊娠中には飲むことができません。

 

加味逍遥散(かみしょうようさん)

肝気鬱結(かんきうっけつ)タイプの方によく出る処方で、更年期の方などにも時折処方されます。肝気鬱結とは精神的ストレスによる症状を指していて、イライラや不安といった症状出ます。

ストレスは妊活にとっては良くないとされていますが、多くの方が思うように妊娠できずにストレスにさらされます。また月経前症候群が強くなったり、胸がはる、お腹がはる、耳が詰まった感じがするなどの症状が出る方も対象です。

ストレスを軽減させる生薬と血を増やすもの等が配合された漢方です。


加味帰脾湯(かみきひとう)

不正出血がある、気持ちの落ち込みがある、胃腸が弱い、眠れないなどの症状がある方にあう漢方です。不妊治療中にガックリと落ち込んでしまい、前に進めなくなって不安で不安でたまらない方などにアプローチできます。

生理の量が大量で多すぎる方や不正出血が見られる方にもよく使われる処方です。胃腸を元気にし血を補いストレスを軽減する生薬が入っています。

 

 

ここに妊活がサポート出来る漢方の一覧をあげましたが、あくまで漢方は服用する方一人ひとりの体質に合わせて選ぶことが基本ですので、まずはご相談下さい。 

 

 

不妊症にまつわる食事

漢方での不妊治療(妊活)では、夫婦仲が良いことはもちろん、その他に日常生活で気をつけておきたいことは一般的に他の病気と同じで、身体を冷やさないこと、快眠、快便、快食(バランスのよい食事)です。

また、漢方の考え方では人間の身体は気・血・水の3つの要素からなっているとされています。気とは生命エネルギー。血は血液。水は体液と捉えていただければわかりやすいかと思います。 さらに、男女の生殖機能の盛衰は腎にあり。と言われています。

つまり、腎臓を元気にすることは、妊活への第一歩になるということです。 腎像の能力低下には『気虚』や『血虚』が関係しています。気虚や血虚と言うのは何らかの理由でが足りない状態を指します。、腎力を高めるには『肝・心・脾・肺・腎』と『気・血・水』、それぞれのバランスを整えることが大切です。

・腎臓の働きを助ける食べ物:黒いもの(黒ゴマ、黒豆、ひじきなど)

・腎臓の働きを抑制する食べ物:身体を冷やすもの(きゅうりや熱帯の食べ物)

・妊娠中に食べない方がいいもの:梨  

 

▼詳しくはこちら

不妊症と食事「妊娠しやすくなる食べ物について」

 

 

3.まとめ

病院による西洋学の治療、漢方による東洋学の治療、どちらがいい悪いではなく、自分の条件や体質、症状にあっている治療法を選ぶことが一番です。

もちろん病院の治療と漢方の使用を平行して妊活するのが効果的な場合だってあります。    

 

 


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